集中治療室

◇初めての集中治療室◇

集中治療室
不妊に悩み、治療を始め、妊娠するもすぐ流産。
                      
それにもめげず、また治療にはげみ、手術もして見事妊娠。

高齢のリスクがあったものの念願の赤ちゃんに会う事が出来ました。


…と思いきや、細菌感染により、すぐに赤ちゃんは集中治療室行き。

感染防止の為「完全母子同室」は出来ないとの事でした。


つまり、他の人は赤ちゃんと常に同室で、毎日添い寝したり、

おっぱいをあげたりするのですが、私にはそれが出来ないのです。
                                 

凄くショックでした。
「3090gで生まれたのになんで集中治療室!?」

腕や足には点滴や採血の痕が青くなってて痛々しくて可哀想でした。

でも、こんな小っちゃな赤ちゃんが一生懸命頑張ってるんです。

それ見て「私ももっと頑張らなくちゃ」って思いました。


とはいえ、今私が子供の為にしてやれる事といったら、

3時間おきに搾乳をした母乳を集中治療室へ持っていく事くらいでした。


こちらの病院は見舞い客の規制があって、

部屋に入れるのは、夫と実母(身の回りの世話をする人)だけでした。

他の見舞い客は団欒室で会ったり、赤ちゃんも

ナースステーションから見るという形をとっていました。


集中治療室に入ったら、子供の両親しか入室する事が出来ません。

だから、他の方のようなお披露目も出来ず、友人だけじゃなく、私たちの家族も

子供が見られず残念がっていました。
11時から14時、17時、20時、23時と持って行き、

育児参加できる人は各時間におむつ交換、体温測定、

おっぱいの授乳ができるのです。


母子同室は出来なかったけど、ほとんど育児参加して、

夜中は看護婦さんが母乳をもっていってくれるので、

毎晩2時と5時に起こしてもらって搾乳してました。


はじめは生まれたばかりというのもあって15cc,20ccしか

飲まなかった我が子が少しずつ回復するたび35cc、40cc、

退院する頃には70ccも飲むようになりました。

それだけ元気になったんだと嬉しく思いました。


生まれて1週間ほどの子供で70cc飲む子って

そんなにいないんですって。
5日ほど経って、まず私が普通分娩だった為、退院する事になりました。

そして、子供の熱も下がり点滴も取れそうなので、担当医の提案で、集中治療室から

今度は小児科に移り、子供の入院の付き添いという形をとりました。

小児科なら、産婦人科、NICUのような見舞い客の規制がなかったので、個室にして

個室料金だけ払いました。子供の医療費はかかりませんからね。


これなら四六時中子供と一緒に過ごせるし、わからない事があれば助産師さんを呼んで

相談できるので、慣れない育児と付き添い同時に出来る、一石二鳥だと思いました。

私の食事は実母が弁当を作ってきてくれたり、夫が差し入れを持ってきてくれたりしました。

1度に出産と、まだ親としての自覚が無いまま子供の付き添いを経験しました。

やっと子供と2人っきりになったら、今までの色んな事を振り返りました。

私の産道が狭くて分娩に時間がかかり、苦しい思いをさせてこの世界に生まれ出てきた事。

生まれてすぐに細菌感染し小さな手や足に点滴や抗生物質の投与、採血、酸素吸入と、

大変な思いをさせてしまった事。
私は多のう胞性卵巣という病気でこの病を持つ人は内視鏡手術による多孔術をしないと

妊娠する可能性は極めて低いそうです。

つまり、自然に任せてたら子供は出来なかったのです。

だから、私は医学の力を借りて子供を作りました。

医学の力を借りて子供を作ったから、今この子がこんな目にあってるんじゃないかと思いました。

いつも前向きに頑張ってきたつもりでしたが、さすがにこの時は落ち込みました。

それでも、自分の子供が欲しかった。

同じ集中治療室にいる赤ちゃん達はもっと小さくて保育器に入ってます。

私の子供は体重は普通にあったので、保育器に入らず、集中治療室でだっこして

母乳をあげたり、オムツ替えや体温測定などが出来ました。

保育器の中にいる赤ちゃんはそうゆう行為が出来ないのですが、

綿棒に母乳を含ませて口の中に入れてあげたり、タッチングやホールディングなど

両手を保育器の中に入れて赤ちゃんを包み込んであげたりしていました。

そして、楽しそうにお話をしていました。

この子も生まれた直後から困難に立ち向かって頑張っている。

「まだ私は頑張っていない!もっと頑張らなくちゃ!」
子供に愛情を持って、抱っこしておっぱいをあげたら子供は育ちます。

母乳をあげられなくても、抱っこが出来なくても、あったかい手のぬくもりと優しい声で

愛情が伝わり、赤ちゃんも安心します。

同時に子供(赤ちゃん)を通じて親も育ちます。

今回の事がまさにそうです。


生んだ時の感動より今のほうが愛しさが倍増して、

親である私達が、子供から学んだ事も多かったと思います。
これからも色んな思いがけない経験をすることでしょう。

そんな時、すやすやと眠っている我が子の為に、

いつも温かい心で笑顔で抱きしめて見守ってあげたい…。

そして一緒に成長していきたいです。


ぶきっちょなお母さんだけど、これからよろしくね。



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